地球上に住むあらゆる動物のなかで、最速の座をほしいままにしているのは一体どの動物だろうか? ライオンやチーターなどが思い浮かぶが、実はこれらは十分に速いものの、トップの座は逃している。一方、意外な昆虫がトップ10にランクインするなど、動物の速度比べは予想外の結果となった。

 

◆18位タイ:ブラックバック(平均時速80キロ)

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別名インドカモシカとも呼ばれ、インド、パキスタン、ネパール一帯に分布する草食動物だ。その名の通り、白黒くっきり分かれた模様がユニークだ。長くうねったツノがオスの特徴になっている。

◆18位タイ:オグロヌー(平均時速80キロ)

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アフリカ南部に生息するウシ科のヌーは、巨体ながら時速80キロで突進する。大きな胴体に対して四肢はスラリと長い。良質な草と水場を求めて年間1600キロも移動するが、そのうち走るのは60キロほどとごく一部。高速で走れるとはいえ、常に駆けているわけではない。

 

18位タイ:シロカジキ(平均時速80キロ)

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太平洋とインド洋などに生息し、全長およそ4.7メートルという大きな体を持つ。重さは約750キロと軽自動車を上回るほどであり、スピードも自動車並みだ。英語では黒い背にちなんでブラック・マーリン(クロカジキ)と呼ばれ、和名のシロカジキとは真逆になっている。

◆16位タイ:スプリングボック(平均時速89キロ)

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アフリカ南部のサバンナや砂漠に住み、群れを作って暮らしている。正面からみるとハート型のようにカールしているツノと、目から口に走る黒いラインがチャームポイントだ。砂漠では低木や多肉植物を食べて栄養源としている。

◆16位タイ:アメリカンクォーターホース(平均時速89キロ)

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俊足な馬のなかでも、アメリカンクォーターホースは短距離を得意とする。サラブレッドやアラブ種など、複数の品種を掛け合わせて開発された。おだやかな性格とやや小ぶりな体格から、接しやすい競走馬としても人気だ。

◆13位タイ:ライオン(平均時速97キロ)

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アフリカや西インドの草原地帯とサバンナを好み、自慢の俊足で獲物を狩って暮らしている。ネコ科とはいえ、多くの草食動物にとって恐るべき存在だ。持久力はないため、獲物を追う際には短時間の一発勝負となる。

◆13位タイ:プロングホーン(平均時速97キロ)

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優れた心肺機能をもち、時速70キロ以上で長距離を走り続けることができる。長距離勝負となれば、チーターの追撃もかわすほどだ。走るときは口を少し開き、鼻呼吸よりもさらに多くの酸素を取り込めるようにしている。

◆13位タイ:メカジキ(平均時速97キロ)

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メカジキは世界最速の魚類のひとつといわれている。英名でソードフィッシュと呼ばれているとおり、剣のように長く尖ったツノ(吻)が特徴的だ。体調は3メートルほどで、世界中の海で広くみられる魚のひとつだ。

 

◆12位:バショウカジキ(平均時速109キロ)

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メカジキと同じように突き出た吻をもつが、バショウカジキの場合はこれに加えて幅広な背びれを備えている。まるで船の帆のような外見から、英語圏ではセイルフィッシュと呼ばれている。こちらも世界のさまざまな海に分布している。

◆11位:チーター(平均時速113キロ)

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個体によっては最高時速120キロを出すものもあり、陸上に住む哺乳類としては世界一速い動物とされている。その走りは極めて軽快で、1歩で3メートルを駆けるほどだ。ただ、300メートルを超えるとスピードを維持できなくなるのが弱点ではある。

◆10位:アホウドリ(平均時速127キロ)

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南極海と北太平洋に分布するアホウドリは、翼を広げると3.7メートルほどに達する。空を飛ぶ鳥としては世界で最も大きい部類だ。素早い移動能力を生かし、水面下のイカや魚などの餌を捕らえている。

◆9位:ツメバガン(平均時速142キロ)

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カモ科のツメバガンは、サハラ以南のアフリカ大陸に分布している。湿地帯を好む大型の鳥で、大きなものだと体長1.1メートルを超える。翼には毒をもつ突起があり、この毒は有毒な野生の昆虫から得ている。

 

◆8位:アブ(平均時速145キロ)

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身近な害虫のアブは、意外にもチーターより速い速度で飛行する。アブは小川や沼地など野外で多く見られ、人間に寄ってきて血を吸う。刺されると痛いだけでなく、炭疽菌や野兎病菌などを媒介することがあるので、見かけたら距離を置くようにしたい。

◆7位:グンカンドリ(平均時速153キロ)

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海鳥の一種であり、魚やイカを主食としている。大きいものでは翼長2.3メートルに達する個体もあり、体重との比率では鳥類のなかでも最大といわれる。熱帯と亜熱帯を中心に見ることができる。

◆6位:カワラバト(平均時速156キロ)

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日本の野外でよく見られるドバトの元になった品種であり、ヨーロッパや西アジアなど広い地域に生息している。歩く姿は小柄だが、両翼を広げると70センチ以上になることもある。最大500羽ほどの群れを作って暮らしており、昆虫や木の実などを捕食するほか、市街地ではゴミを漁ることがある。

◆5位:チゴハヤブサ(平均時速159キロ)

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小型の鳥で、体長は30センチ前後、体重は500グラム未満だ。アフリカから東アジアにかけて広く分布し、冬になると南アフリカや南アジアなど温かい地域へと移動する。湿地帯や農地などの上空を飛び、昆虫や鳥などを狩るのが得意だ。

◆4位:メキシコオヒキコウモリ(平均時速161キロ)

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北米に住むメキシコオヒキコウモリは、水平方向の移動速度としては動物界最速を誇る。体長は9センチほどで、体重も非常に軽い。100万匹から2000万匹という大集団で暮らし、蛾などを捕食している。大きな集団になると、一晩で250トンの昆虫を消費すると推定されている。

◆3位:ハリオアマツバメ(平均時速171キロ)

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シベリア南部からオーストラリアまでの広域でみられる渡り鳥だ。体長は20センチほどで、カブトムシやハチなど昆虫を主食としている。湾曲した長い翼と流線型の体が、高速な飛行に一役買っているようだ。

◆2位:イヌワシ(平均時速241キロ)

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大きな個体では、翼長が2.3メートルに達するものもある。体重は大きなもので6.8キロほどと、鳥としてはかなり重い部類だ。猛禽類最大の鳥であり、魚だけでなく、ウサギやリスなどの哺乳類を狩ることができる。

◆1位:ハヤブサ(平均時速322キロ)

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動物界で最速を誇るのは、平均時速322キロを誇るハヤブサだ。ある研究では、最高で時速389キロが記録されている。獲物を狙い上空から急降下する際、トップスピードを発揮する。このときの速さは、最速のフェラーリ「ラ フェラーリ」の最高速度である時速350キロを優に上回るほどだ。

速度を稼ぐため、その体には数々の秘密が隠されている。多くの鳥は太陽光を遮るためのひさしのような出っ張りを目の上に備えるが、ハヤブサは空気抵抗によるロスを軽減するため、このひさしを持たない。代わりに黒い羽毛で太陽光の反射を軽減している。また、鼻のなかに気流を減速するための小さな骨を持ち、これによって高速飛行中の呼吸が可能となっている。